お知らせ一覧
染織技術から学問とクリエイティビティ、社会とのつながりを学ぶー高校生のための新しいプログラム開発ー 千總文化研究所は、株式会社千總が所蔵する美術工芸品や同社が制作する製品の染織技術などの有形・無形の文化財を教材として、北海道の函館工業高等専門学校と共にSTEAM教育プログラムの開発を進めています。 人の手仕事による、着物を中心とした伝統的な染織技術は、農学、化学、人文学、史学をはじめとする様々な分野の学問を内包するだけでなく、繊細で創造性に富んだものです。一方で、人の情報処理能力を遥かに超える人工知能でも、到達への道筋が見えていないものが創造性や感性が必要な分野だと言わ…
宗教と文化を専門とする中外日報(10月1日発行)に、弊所所長加藤結理子の寄稿文を掲載いただきました。2019年から調査研究を進めてきた真宗大谷派の法衣装束についてご紹介しております。今後も、宗教学、社会学などの視点も交えて学際的な研究を目指して参ります。 《関連ページ》法衣装束の共同研究特別鑑賞会・講演会「千總と東本願寺-御装束師の姿-」 千總コレクションと共に、日本文化の未来を考える 第4回千總文化についてー御装束師の時代https://icac.or.jp/culture/onsyozokushi/
「美術の教育/教育の美術」展(於:京都工芸繊維大学美術工芸資料館 10月1日~(予定))の関連企画 シンポジウム「京都の近代化遺産-近代化を支えた人びと」に、当研究所 研究員の小田桃子がパネリストの一人として登壇いたします。 京都の「近代化」に焦点を当てたシンポジウムです。明治の幕開けとともに京都は、学校制度の導入、博覧会の開催など他の都市に先駆けて新しい取り組みを進めました。「近代化を支えた人びと」の活動とその意義を、各分野の専門家によるパネル発表とディスカッションにより紐解きます。 京都工芸繊維大学美術工芸資料館の公式ウェブサイトよりお申込みいただけます。 …
近年、明治時代から昭和時代にかけて制作された型友禅染の関連資料「絵刷」147冊(約14700枚)が株式会社千總に寄贈されました。絵刷とは、型紙を用いてデザイン(文様)を紙に摺り出したもので、型友禅をつくる工程において、職人による型紙の彫り具合(彫口)の確認や、型紙管理者による文様の見本として用いられるものです。 千總文化研究所は、そうした絵刷資料の保存と記録作成、さらにアーカイブ化を最終目標に掲げ、令和3(2021)年度より京都芸術大学と覚書を結び、共同調査を開始しました。 絵刷は、文様が摺り出された紙(本紙)約100枚が冊子体に綴じられています。各冊子により大きさは異なり…
千總文化研究所が2019年より進めている、法衣装束の調査研究について取り上げていただきました。法衣商であった江戸時代から明治時代に千總が手がけた染織品が、兵庫県姫路市の真宗大谷派寺院・姫路船場別院本徳寺などで所蔵されています。千總には法衣の見本裂や図案などは残されていますが、実際にどのような装束を寺院に納めていたのかはほとんど明らかではなく、社外で確認されたのは本件が初めてのことでした。千總文化研究所では、今年7月に本調査の報告会を兼ねた研究会を開催しました。染織の専門家、寺院のご関係の方々が約50名ご参加くださいました。本研究会の内容については、千總文化研究所ウェブサイトのアーカイブにてご紹…
京都新聞が2011年より取り組まれてきた、文化、経済、宗教、教育など様々な分野から日本(人)の知恵や文化を考察する企画が、単行本として刊行されました。当研究所所長の加藤の寄稿文も掲載されています。ぜひご覧ください。
明治時代以降、千總は三越との商売を盛んに行ってきました。千總ギャラリーでは8月末から型友禅を中心に両者の関係を示す作品の展示を予定しています。それに合わせて、今回は関連する作品を紹介します。 天鵞絨友禅〈茶運び婦人〉天鵞絨友禅 1額 縦96.6cm×横63.3cm×厚み2.0cm(額縁含む)明治41(1908)年頃 千總蔵 内容については、「会員ページ」でご紹介しています。
友禅染めには大きく分けると手描き友禅と型友禅があります。型友禅は模様を彫り出した型紙を生地にあてて、型紙の上から刷毛で染料を擦り込んだり、染料を混ぜた写糊をヘラで塗布することで模様の染色をします。染め上がった時の模様の形や色彩表現を大きく左右するのが型紙の彫刻です。 手描き友禅と同様に、まずは図案の製作から始まります。 一つの模様に使用される型紙の枚数は、主に模様の複雑さ、色数によって決まります。この「孔雀百花模様」では64枚の型紙が用いられました。着色図案をもとに、企画担当者、型彫刻の職人と染色工房がどのような型を彫刻し、模様を表現するかを検討します。 続きはこ…
弊研究所の加藤結理子が寄稿する、季刊『ふでばこ』41号が発刊されました。これまで、17回にわたり千總の収蔵品や染織技術についてご紹介してまいりました。本号では、友禅染の職人への取材から、手しごとと道具を紐解きます。ぜひご覧ください。 『ふでばこ』は、広島の化粧筆メーカー白鳳堂が発行されている雑誌です。「道具の文化を考える本」として、数々の日本のものづくりをきめ細やかに取材されています。株式会社白鳳堂https://hakuho-do.co.jp
千總文化研究所では、千總が「御装束師 千切屋惣左衛門」として法衣商を営んでいた歴史から、真宗大谷派の寺院を中心に袈裟や道服などの法衣や打敷をはじめ御堂を荘厳する染織品の調査研究を進めています。 2019年度は、真宗大谷派・姫路船場別院本徳寺所蔵の染織品、千總収蔵の染織品図案と文書類の調査を実施致しました。2020年度は、前年度に引き続き本徳寺所蔵の装束に加え、大谷家に伝わる装束の調査を行いました。 本研究会では、その報告とともに本調査の共同研究者であり、長年にわたり尼門跡寺院を研究されてこられたモニカ ベーテ先生にご講義をいただきます。 寺院の儀式・儀礼と共に染織品がどのように伝え遺されてきた…