お知らせ一覧
京都新聞が2011年より取り組まれてきた、文化、経済、宗教、教育など様々な分野から日本(人)の知恵や文化を考察する企画が、単行本として刊行されました。当研究所所長の加藤の寄稿文も掲載されています。ぜひご覧ください。
明治時代以降、千總は三越との商売を盛んに行ってきました。千總ギャラリーでは8月末から型友禅を中心に両者の関係を示す作品の展示を予定しています。それに合わせて、今回は関連する作品を紹介します。 天鵞絨友禅〈茶運び婦人〉天鵞絨友禅 1額 縦96.6cm×横63.3cm×厚み2.0cm(額縁含む)明治41(1908)年頃 千總蔵 内容については、「会員ページ」でご紹介しています。
友禅染めには大きく分けると手描き友禅と型友禅があります。型友禅は模様を彫り出した型紙を生地にあてて、型紙の上から刷毛で染料を擦り込んだり、染料を混ぜた写糊をヘラで塗布することで模様の染色をします。染め上がった時の模様の形や色彩表現を大きく左右するのが型紙の彫刻です。 手描き友禅と同様に、まずは図案の製作から始まります。 一つの模様に使用される型紙の枚数は、主に模様の複雑さ、色数によって決まります。この「孔雀百花模様」では64枚の型紙が用いられました。着色図案をもとに、企画担当者、型彫刻の職人と染色工房がどのような型を彫刻し、模様を表現するかを検討します。 続きはこ…
弊研究所の加藤結理子が寄稿する、季刊『ふでばこ』41号が発刊されました。これまで、17回にわたり千總の収蔵品や染織技術についてご紹介してまいりました。本号では、友禅染の職人への取材から、手しごとと道具を紐解きます。ぜひご覧ください。 『ふでばこ』は、広島の化粧筆メーカー白鳳堂が発行されている雑誌です。「道具の文化を考える本」として、数々の日本のものづくりをきめ細やかに取材されています。株式会社白鳳堂https://hakuho-do.co.jp
千總文化研究所では、千總が「御装束師 千切屋惣左衛門」として法衣商を営んでいた歴史から、真宗大谷派の寺院を中心に袈裟や道服などの法衣や打敷をはじめ御堂を荘厳する染織品の調査研究を進めています。 2019年度は、真宗大谷派・姫路船場別院本徳寺所蔵の染織品、千總収蔵の染織品図案と文書類の調査を実施致しました。2020年度は、前年度に引き続き本徳寺所蔵の装束に加え、大谷家に伝わる装束の調査を行いました。 本研究会では、その報告とともに本調査の共同研究者であり、長年にわたり尼門跡寺院を研究されてこられたモニカ ベーテ先生にご講義をいただきます。 寺院の儀式・儀礼と共に染織品がどのように伝え遺されてきた…
明治時代以降、西村總左衛門の商店は、型紙を用いて文様を染める「型友禅」による商品を製造する、代表的な会社のひとつでした。その当時の盛況ぶりを伝える資料のひとつとして、同社には型友禅の見本の布、すなわち「型友禅裂」が所蔵されています。明治6年から昭和10年代までに製造された型友禅裂は1000点にのぼり、これまで様々な専門家により調査研究が行われてきました。なお、個々の型友禅裂については、現在連載中のTHE KYOTOでも紹介しております。 そして、その他に、型友禅の製造に関係する資料として、「絵刷」(えずり)が、同じく所蔵されています。 Fig.1 絵刷冊子の表紙(一例) &…
今、多くの伝統技術の継承が危ぶまれています。そしてその道具を作る技術も失われようとしています。多彩な染め分け表現ができる「桶出し絞り」もその一つです。千總文化研究所では、「桶出し絞り」の技術と道具について、ヒアリング調査進めています。 桶出絞りとは?上下に蓋がある桶を使用し、染める部分を桶の外縁に沿って細密に固定し、染めずに残す部分を桶の中に入れ、桶の上下の蓋を固く緊縛し、桶自体を染液につける技法です。 比較的大きな面積を、様々な形に多色に染め分けることができ、模様の輪郭に縫い目を施して絞るため、凹凸のある独特な風合いが特徴です大正の終わりから昭和のはじめ頃に開発されたと伝…
3月末以降、桜前線は日本列島を北上し、現在は北海道の五稜郭などで桜が見ごろを迎えています。桜前線はソメイヨシノの開花予想を伝えるものですが、日本にはソメイヨシノ以外にも100種以上の桜が存在しています。今回ご紹介するのは、そうした桜の絵を収録した画帖『桜花真冩』です。 内容については、「会員ページ」でご紹介しています。
《法服(紅鈍色緞子牡丹唐草地模様)への紋(丸ニ三ツ葵)仕様書》 千總文化研究所は、中世日本研究所、京都府京都文化博物館と共に法衣装束の調査を進めています。千總が「御装束師千切屋惣左衛門」として真宗大谷派宗務所(東本願寺)をはじめとする寺院の御用を務めていた歴史とともに、寺院の豊かな装束文化を研究するためです。千總には、図案や雛形、見本裂は遺されていますが、実際にどのような法衣装束を制作していたのかはほとんど分かっていませんでした。 最初の手がかりは、2010年に同朋大学安藤弥教授の研究チームが調査をし、千切屋惣左衛門が手がけた装束が残されていることが知られていた真宗大谷派姫路船場別院本徳寺でし…
様々な文化コンテンツを発信する「THE KYOTO」にて、千總の有形文化財をご紹介するシリーズ ”日本のエレガンス 千總460年” が本日よりスタート致します。小袖や型友禅の見本裂、図案帖や着物が描かれた絵画作品等から日本の’ころも’の文化を紐解きます。 「THE KYOTO」”日本のエレガンス 千總460年” (毎週木曜日連載)https://the.kyoto/article/chiso_1