お知らせ一覧

同志社大学美学及芸術学科の課外授業

同志社大学美学及芸術学科の課外授業「美学芸術学実地演習II」として、講演を行いました。同学科の2回生20名が参加されました。「千總のものづくり −パトロネージュとイノベーションの歴史−」という演題をいただき、千總が460余年の歴史の中で、どのようにものづくりを続けてきたのか、歴史的背景と地域社会、学問分野や産業界との繋がりを交えて作品写真と共にご紹介しました。また会場には、明治時代と昭和時代に千總が手がけた染織品を展示しました。  千總は、室町時代に僧侶の装束である法衣や寺院を荘厳する打敷などを納める法衣商として、京都で商いをはじめました。詳細は調査段階ではありますが、六条…

図書紹介1:千總と近世文化*会員限定*

千總では、友禅染の図案や法衣類の制作資料とするために集められたと思しき多数の図書を所蔵しています。その具体的な内訳については現在調査を進めている最中ですが、多くは江戸時代から明治時代にかけて出版されたもので、染織関連の版本資料として代表的な小袖雛形本をはじめとして、浮世草子、俳諧書、画手本、近代の博覧会図録など、多種多様な図書が確認されています。 とくに版本資料は近世の文化を広く網羅するラインナップとなっており、これらの図書から得られた知識が千總のものづくりに活かされたことが想像されます。千總に所蔵される図書資料を大正から戦前頃にかけてまとめた目録(『図書部購入台帳』)のうち、入手日…

千總と近代画家1:岸竹堂*会員限定*

明治期の千總は、刺繍絵画や友禅製品において数々の受賞を重ねましたが、その華々しい功績には多くの画家の協力が不可欠でした。そして、両者の繋がりは、千總に所蔵される絵画や友禅裂などの美術工芸品だけでなく、文書でも確認することができます。そこで本コラムではシリーズで、千總所蔵の文書のひとつである近代の決算報告書類に登場する画家を紹介します。 千總に現存する近代の決算報告書類は、1876年(明治9)から1879年(明治12)並びに1881年(明治14)から1922年(大正11)までの間、概ね毎年上(前)半期・下(後)半期に分けて作成されたもので、各報告書類の記載項目と名称(「勘定」、「精算表…

「西村總左衛門家の活動」ページの新設のお知らせ

本日より「西村總左衛門家の活動」のページが新設されました。こちらのページでは、長らく京都で衣の商売を担ってきた、西村總左衛門家すなわち千總の歴代当主の活動に関する調査の報告を皆様にお届けして参ります。 初回となる今回は、明治時代から昭和時代まで千總の当主を務めた、12代当主・西村總左衛門(三國直篤、1855~1935)をご紹介するページを追加しました。   12代西村總左衛門(明治時代) 12代西村が当主を務めた幕末・明治期以降の京都において、友禅や各種織物などの染織品を取り扱う業界は変革期を迎えました。千總も例外ではなく、12代西村のもと、明治期に事業…

【活動紹介】3つの染色技法の比較ワークショップ

函館工業高等専門学校の下郡啓夫教授と共同開発を行なっている教育プログラムでは、伝統的染織技術の背景にある、人の創造性・探究性に焦点を当てた2つのワークショップを設計しました。 1月24日は、手描き友禅・手捺染・インクジェットプリントの3つの技法の比較検証です。 千總製の〈束ね熨斗模様小袱紗〉を元に、手描き友禅、手捺染、インクジェットプリントとの3つの染色技術で、同じデザインを再現した染織品を製作しました。 手描き友禅は、細い筒金の先から絞り出した糊で模様の輪郭線を防染し、輪郭の中の色を筆や刷毛を用いて染色します。 手捺染は、色ごとに型(シルクスクリーン)…

【活動紹介】職人技を体験「色づくりワークショップ」

函館工業高等専門学校の下郡啓夫教授と共同開発を行なっている教育プログラムでは、伝統的染織技術の背景にある、人の創造性・探究性に焦点を当てた2つのワークショップを設計しました。1月17日は、そのうちの1つ〈色づくりワークショップ〉を実施しました。伝統的染織技術の一つである手描き友禅の着物制作において、「配色」と呼ばれる工程があります。着物のデザインに用いる色を決める作業で、製作担当者が色見本を貼った「配色伝票」を指示書として職人に渡します。職人はそれらの色を1色ずつ染料を混ぜ合わせて一から作成します。着物によっては、使用する色数は100色を超えます。そこには、色を見極める観察力と多くの経験が必要…

【活動紹介】知識構成型ジグソー法から、日本の伝統技術のイノベーションを考える

函館工業高等専門学校の下郡啓夫教授と共同開発を行なっている教育プログラムでは、技術革新と社会的、文化的背景の関係性を深く洞察するため、東京大学CoREFにより開発された授業法である「知識構成型 ジグソー法」を取り入れています。 第8講と第9講では、千總の創業から現代までものづくりの変遷をたどりました。僧侶のための衣装である法衣装束や寺院を荘厳する染織品から、欧米の生活様式に合わせた室内装飾品、着物、ポップカルチャーとのコラボレーションなど、千總の長い歴史と文化は、染織品製作におけるイノベーション の歴史でもあります。第10講では、函館工業高等専門学校の小林淳哉教授より染色の化学的メカ…

京都芸術大学・共同研究事業ー後期の調査実習がはじまりました

 今年度から、千總文化研究所は京都芸術大学歴史遺産学科と覚書を結び、型友禅に関する近現代史料である、絵刷(えずり)の共同調査を開始しました。本調査は、千總が所蔵する絵刷の画像撮影と調書作成を行い、最終的にはデジタルアーカイブ化を目指すものです。弊所指導のもとに、同大学歴史遺産学科の増渕麻里耶准教授率いる文化財科学ゼミ所属の学生が、実際の資料に触れながら、正課授業の一環として調査を行っています。(共同研究事業の詳細は過去の活動報告でご確認いただけます)さて、11月4日より後期調査実習が始まりました。後期からは、前期の3回生9名に加えて、2回生9名が調査に加わっています。後期では、学生を2つのグル…

【活動紹介】Visible Thinking 小袖から何がわかる?

 函館工業高等専門学校の専攻科1年の授業(担当:下郡啓夫教授)「グローバル・ケーススタディ」では、千總の有形・無形の文化財を紐解く一つの手法として、ハーバード大学教育大学院のプロジェクト「プロジェクト・ゼロ」で研究された学習方法である「Visible Thinking」を用います。 Visible Thinkingとは、定型的な質問を通して,学習の根源に必要である内発的なモチベーションがどこから生まれているのかを確認し、さらにその内発的なモチベーションを起点とした学びを可視化する手法です。学習者が自身の思考を省察することをサポートし、考える力を育てます。 本授業では、3回の講義にわたり3つのル…

【活動紹介】Visible Thinking 着物から何を感じる?

 函館工業高等専門学校の下郡啓夫教授と共同開発を行なっている教育プログラムでは、伝統文化を主体的に捉え、深く考察する手法の一つとして,ハーバード大学教育大学院のプロジェクト「プロジェクト・ゼロ」で研究された学習法である「Visible Thinking」を取り入れています。  第2講から第4講では,思考ルーチン「See-Think-Wonder」を用いて,着物の写真をさまざまな視点から捉えるだけでなく、そこから沸き出る自身の考えを批判的に見ることで、本質を見抜いていく、そのための基本姿勢づくりを行ってきました。 プログラム第5講では、その基本姿勢の土台の上に、いよいよ着物を本格的に味…