活動報告 一覧

女子美術大学の学生と「伝統継承を考える」

女子美術大学デザイン工芸学科の授業の一環として、千總の歴史とものづくりとともに、研究所の活動について講義しました。 「伝統継承を考える」をテーマとする本授業は、3年次の夏に京都へ研修に訪れ、テーマに対する考察を深めたうえで作品制作を行います。そして、4年次の夏に当研究所へ作品のプレゼンテーションを行い、女子美術大学の学園祭にて発表するものです。本授業と当研究所の協業は、今年で3年目を迎え、7名の学生が参加されました。   千總のものづくりを担う千総友仙工場にご協力いただき、着物づくりのうち、図案、下絵、糊置き、手描き友禅、刺繍の工程を解説いただきました。…

第二次世界大戦下の工芸技術保護関係資料に関する共同調査の実施

当研究所では東京文化財研究所と覚書を結び、2024年度より第二次世界大戦下の工芸技術保護に関係する所蔵資料の調査を実施しています。 東京文化財研究所の先行研究(註1)によると、昭和15(1940)年に公布された奢侈品等製造販売制限規則(昭和15年7月6日商工省、農林省令第2号/通称七・七禁令)が、昭和25(1950)年に制定された文化財保護法における無形文化財、特に工芸技術保護の枠組み形成に影響を与えた可能性が指摘されており、本調査はその実態解明の一環として実施されました。 本調査では、千總に現存する、奢侈品等製造販売制限規則の影響で制度化された、芸術及び技術保持資格の認定…

しまつの文化―庭園内の土蔵および地蔵堂の調査

京都・三条通に面した千總本社ビルの裏側には中庭があります。この中庭は当ビルが建て替えられる以前から存在していますが、そのなかにある土蔵と地蔵堂も、折々に手を加えながら同様に引き継がれてきたものです。現在、土蔵は主だって使用されていませんが、地蔵堂と合わせて、往時の商家の面影を今に伝えています。これまで当研究所では、本社ビルの敷地の歴史に関する調査や講演会を実施してまいりましたが、このたびはこの2棟の建築に関する調査の一環として、京都工芸繊維大学デザイン・建築学系のマルティネス准教授とともに、現状調査を行いました。 建築の概要 土蔵(北面) 土蔵は中庭なかの南西側、地蔵堂はそ…

フィガロジャポン主催 のピッチコンテスト本選に出場します

この度、フィガロジャポン*主催「BWAピッチコンテスト2026」のファイナリストに選出いただきました。本選は、7/22(水)17:30~、リアル会場はTokyo Innovation Base(有楽町)で開催されます。このコンテストは、Business with Attitude「思いを言葉に」をテーマに、自分らしく未来を創る女性たちを応援するフィガロジャポンのプロジェクト・コミュニティの一環として開催されます。    千總文化研究所では、中高生向けの課外プログラムとして「きもの科学部」(2022年、2024年)、大人向け体験プログラム「五感から知る言葉…

展覧会「文化財よ、永遠に2026ー次代につなぐ技とひと」に寄せて

住友コレクションをはじめとした美術品を保存、研究、公開する泉屋博古館にて、今春より「文化財よ、永遠に2026ー次代につなぐ技とひと」展が開催されています。1991年に創業し、文化財維持保存修復事業の助成につとめてきた住友財団によって修理がなされた文化財が一堂に会する展覧会です。6月2日から始まった第3期(6月28日まで)には、千總当主・西村總左衛門が代表をつとめる「友禅史会」所蔵の「紅縮緬地熨斗文友禅染振袖」が出陳されています。艶やかな紅地に、束ねた熨斗の一条一条が金糸の刺繍で縁取りされ、松竹梅、鳳凰、宝づくしなどの吉祥文様、桜や菊などの花弁や、蜀江文、波文が友禅と刺繍で細やかに表されています…

型友禅の技術調査_職人のインタビュー動画公開

千總文化研究所では、染織技法における材料や道具、工程などによって生み出される表現の独自性に着目した調査研究を行っています。2021年には手描き友禅、手捺染、インクジェットプリントという3つの技法の比較を行いました。いずれも細やかな模様と多色の染め分けを得意とする技法で、材料や道具、工程の違い、それらによって生み出される表現の違いを、同じ模様の再現製作によって確認しました。3つの技術の特性を示した染色見本と記録動画は教育現場で活用され、国内外の若年層の伝統的染織技術の学習に役立てられています。 2023年からは、型友禅に焦点を当てた調査を行っています。型友禅は、手描き友禅とともに主に着…

KCJS(京都アメリカ大学コンソーシアム)プログラム「世界に通じる京の職人」

同志社大学内にあるKCJF(京都アメリカ大学コンソーシアム、運営:コロンビア大学)の授業の一環として、千總の歴史と染織技術について講義しました。「世界に通じる京の職人」がテーマの本授業には、日本語並びに日本文化等を専攻するアメリカからの留学生10名が参加されています。 講義の前半は、千總が470余年にわたって、法衣装束、室内装飾品、着物など商いの主軸を少しずつ変えながらも染織品をつくり続けてきた歴史と、現在の技術·工程について動画と写真を交えてご紹介しました。千總が明治時代に手がけた海外向けの室内装飾品や服飾品は、現代でも世界の美術館や個人コレクターに所蔵されており、現代の千總は世界…

「五感から知る言葉にならない日本の美」第5回 開催報告

千總文化研究所は、次世代育成支援を目的として、日本の文化芸術を大人が学ぶ体験型プログラムを、2024年11月からスタートしました。第一線で活躍する表現者・技術者をお招きし、五感をテーマとしたご講演と感性や感覚に立ち返って文化芸術を深く知る体験をご提供するプログラムです。本プログラムの収益は、当研究所が企画・開発を進める次世代育成プログラムの運営に充てられます。 第5回は、能楽小鼓方大倉流16世宗家・大倉 源次郎先生(重要無形文化財保持者)をお招きして、1904年創建の京都で最も長い歴史を持つ大江能楽堂にて開催いたしました。本回は、大倉先生のご講演とともに囃子の演奏に加え、シテ方金剛流…

近世の千切屋の活動に関する研究

千總文化研究所では株式会社千總ホールディングスに遺る資料から、歴史・美術・教育・修復などさまざまな観点から探求を行っています。今回は、千總の前身であり江戸時代に法衣装束師として活動していた千切屋惣左衛門の活動に関する調査研究活動をご紹介します。なお、本記事内で取り上げる資料はすべて株式会社千總ホールディングスの所蔵です。 千切屋惣左衛門は東本願寺の御用装束師として活動したことが知られながらも、その活動実態は解明の途上です*1。そこで、「近世の千切屋の活動に関する研究」と題し、近世の活動について調査を進めています。 本年、1件の資料の翻刻を行いました。「貝塚御屋舗記録」と題さ…

「きもの科学部」の成果報告展示

千總文化研究所は、次世代の創造性育成を目指して2021年より染織技術や染織文化を題材とした教育プログラムの企画開発を、教育工学の専門家の協力のもとに進めて参りました。この度、2024年10月から2025年2月にかけて開催された、中学生・高校生のための課外プログラム「きもの科学部」の成果発表展示を下記のとおり開催いたします。 期間:2025年9月15日(月)~10月24日(金)水曜休館  10:00~17:00(開館時間は、千總本店の営業時間に準じます。)場所:千總本店2階(京都市中京区御倉町80)入場料:無料主催者:一般社団法人千總文化研究所 「きもの科学部」は、日本の伝統…
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