教育普及
函館工業高等専門学校の下郡啓夫教授と共同開発を行なっている教育プログラムでは、伝統文化を主体的に捉え、深く考察する手法の一つとして,ハーバード大学教育大学院のプロジェクト「プロジェクト・ゼロ」で研究された学習法である「Visible Thinking」を取り入れています。 第2講から第4講では,思考ルーチン「See-Think-Wonder」を用いて,着物の写真をさまざまな視点から捉えるだけでなく、そこから沸き出る自身の考えを批判的に見ることで、本質を見抜いていく、そのための基本姿勢づくりを行ってきました。 プログラム第5講では、その基本姿勢の土台の上に、いよいよ着物を本格的に味…
函館工業高等専門学校の専攻科1年の授業(担当:下郡啓夫教授)「グローバル・ケーススタディ」では、千總の有形・無形の文化財を紐解く一つの手法として、ハーバード大学教育大学院のプロジェクト「プロジェクト・ゼロ」で研究された学習方法である「Visible Thinking」を用います。 Visible Thinkingとは、定型的な質問を通して,学習の根源に必要である内発的なモチベーションがどこから生まれているのかを確認し、さらにその内発的なモチベーションを起点とした学びを可視化する手法です。学習者が自身の思考を省察することをサポートし、考える力を育てます。 本授業では、3回の講義にわたり3つのル…
千總文化研究所は、株式会社千總が所蔵する美術工芸品や同社が制作する製品の染織技術などの有形・無形の文化財を教材として、北海道の函館工業高等専門学校と共にSTEAM教育プログラムの開発を進めています。 人の手仕事による、着物を中心とした伝統的な染織技術は、農学、化学、人文学、史学をはじめとする様々な分野の学問を内包するだけでなく、繊細で創造性に富んだものです。一方で、人の情報処理能力を遥かに超える人工知能でも、到達への道筋が見えていないものが創造性や感性が必要な分野だと言われています。 伝統的な染織文化がもつ豊かな感性と表現の力を基盤とした創造性育成の方法論を検討することは、次世代…
近年、明治時代から昭和時代にかけて制作された型友禅染の関連資料「絵刷」147冊(約14700枚)が株式会社千總に寄贈されました。絵刷とは、型紙を用いてデザイン(文様)を紙に摺り出したもので、型友禅をつくる工程において、職人による型紙の彫り具合(彫口)の確認や、型紙管理者による文様の見本として用いられるものです。 千總文化研究所は、そうした絵刷資料の保存と記録作成、さらにアーカイブ化を最終目標に掲げ、令和3(2021)年度より京都芸術大学と覚書を結び、共同調査を開始しました。(8月28日(土)から千總ギャラリーにて、本調査の成果の一部を展示いたします。詳細は文末にてご確認ください。)&…