事業報告会「きもの科学部ー「きもの」を題材としたSTEAM教育プログラム開発の試みー」

千總文化研究所では、2021年度より染織技術やきもの文化を題材とした教育プログラムの開発に取り組んでいます。

 きものを構成する多様な技術や技法と、その背景にある日本の文化は、農学、化学、人文学をはじめとするさまざまな学問分野を内包するだけでなく、職人の創造力と探求心が凝縮されています。一方、昨今の学校教育では、STEAM教育をはじめ学際的な学びがクリエイティブな人材を育成するものとして注目されています。

 そうした社会的背景のもと、「きもの」から広がる学問領域の結びつきと、文化や社会の成り立ちを次世代を担う子どもたちに伝えることが、創造力豊かな人材育成の寄与につながるのではないかと考えています。

 2022年度は、中学校で学ぶ教科と結びつけて「きもの」を探究するプログラムを企画、実施いたしました。 

 文学、農学、工学、染色デザイン等の専門家を招き、着物に描かれた植物や和歌、着物のデザインや染色技術を様々な視点から深く体系的に学ぶプログラムです。座学だけでなく、教育工学の専門家によるワークショップや、職人やデザイナーによる解説と体験、実演を交えました。

 

  プログラムの概要については、こちらをご覧ください。

 

 本会では、2022年10月から12月にかけて全5回にわたって実施された事業内容を報告いたしました。

 

  報告会のスライドから抜粋、一部編集を行った資料をこちらからご覧いただけます。

  なお、報告会の記録動画は会員ページにてご覧いただけます。

 

 

 

【事業報告会開催概要】

日時:2023年2月24日(金)14:00~15:30

形式:オンライン配信(Zoom ウェビナー)

定員:100名(先着順)

参加費:無料(事前登録制)

[タイムテーブル]

13:45 開場

14:00~15:15 開会・事業報告

報告者:加藤結理子(千總文化研究所 所長)、下郡啓夫(函館工業高等専門学校 教授)

15:15~15:30 質疑応答・閉会

 

【報告者プロフィール】

下郡啓夫

函館工業高等専門学校教授。2021年度より千總文化研究所との共同研究として、函館工業高等専門学校専攻科必修科目「グローバル・ケーススタディ」にて、染織技術を教材としたプログラム開発に取り組む。「きもの科学部」において、教育工学の観点からプログラム構成を担った。

明治大学サービス創新研究所客員研究員。早稲田大学情報教育研究所招聘研究員。北海道大学数理・データサイエンス教育研究センター招聘教員。2019年より日本STEAM教育学会STEAM教育研究会SIG研究代表者、2020年より芸術思考学会会長などを務める。著書に『授業力アップ アクティブ・ラーニング グループ学習・ICT活用・PBL』(分担執筆、実教出版 2016年)、『教育のワールドクラス 21世紀の学校システムをつくる』(分担翻訳、明石書店、2019年)『実例で学ぶ創造技法』(分担執筆、日科技連出版社、2020年)など。

本事業は、文化庁令和4年度「地域活動推進事業及び地域文化倶楽部(仮称)創設支援事業」のもと、京都市教育委員会のご協力を得て実施されました。