染織品紹介5:寿ぎを尽くす文様 *会員限定*

異動や門出など、春は人生の移り変わりの季節です。そのような節目を祝い、前途が明るくあるようにと願う気持ちは古くから人々の間で共有されてきました。

そうした思いを目に見えるよう形にしたものが、吉祥文様です。おめでたいモチーフをたくさん組み合わせることで、喜びを重ねるさまを表現し、古来日本では衣服や調度品など人々の身の回りの品を飾ってきました。代表的なものでは、松竹梅や鶴亀などは日本人が誰しも知るモチーフでしょう。

 

現代でもきものによく表される吉祥模様としては、宝尽くしがあります。吉祥というテーマに類するモチーフを集めた、色々なおめでたさを表す宝物が組み合わされた模様です。しかしその中身についてはあまり詳しくご存じでない方も多いのではないでしょうか。

 

宝尽くし模様の源流は中国にあります。中国では次の8つの宝物が挙げられ、「八宝」と呼ばれました。

 法螺貝・法輪・宝傘・白蓋・蓮花・宝瓶・金魚・盤長(宝結び)

これらはすべて仏教にまつわるモチーフで、仏の教えを表したり、仏の持物であったりと、その世界観において吉祥を表す存在です。また「雑八宝」として、

 珊瑚・丁子・方勝(首飾り)・七宝(珠)・角杯、火焔宝珠、厭勝銭(貨幣)、銀錠(通貨)

もあり、こちらも仏教的世界観に基づいた宗教上の吉祥模様です。

 

本文は、「会員ページ」でご紹介しています。