図書紹介5:名所図会 *会員限定*

日増しに暖かくなり、思わず旅に出かけたくなる季節が近づいてきました。長く続いた外出制限も緩和されたことで、ゴールデンウィークの旅行計画を立てていらっしゃる方も多いかと思います。

旅行先の情報を集めるとき、私たちは何をよすがとするでしょうか?現代の私たちはスマートフォンを片手にすることが多くなりましたが、紙のガイドブックを携えるという方もいらっしゃるでしょう。

このようなガイドブックは江戸時代にはすでに存在していました。今回ご紹介する「名所図会」は、江戸時代後期を中心に出版された日本各地の観光ガイドブックともいうべき版本です。このような版本が出版された背景には、江戸時代を通じて行われた街道の整備と、出版技術の確立があります。この二点については千總ギャラリーコラム「御所解模様を読む」でもご紹介していますが、モノ、ヒトや情報の移動を活発にし、旅行ブームを巻き起こす要因となりました。

近世・近代の名所図会や旅にまつわる版本には、数百年も昔の人々の旅への感情が込められています。これらの版本を通して、場所だけでなく時をも超えた旅行に出かけてみませんか。

 

名所図会のはじまり

株式会社千總には、『都林泉名勝図会』『花洛名勝図会』『京みやけ』など多数の名所図会が所蔵されていますが、その中で最も著名な名所図会として『都名所図会』が挙げられます。

 

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