図書紹介3:ちりめん本 *会員限定*

図書紹介の第3回目は、株式会社千總(以下、千總)に遺るちりめん本をご紹介します。

 

ちりめん本とは

ちりめん本と聞いて皆様はどんな本を思い浮かべるでしょうか。着物に親しまれている方なら、すぐさまあの凹凸が特徴的な生地の縮緬を想像されるかもしれませんが、それも間違いではありません。

ちりめん本とは、浮世絵と同じ技法で印刷された紙に縮緬のような凹凸が出るように加工を施し、製本したものを指します。

 

Fig.1 ちりめん本の紙(The cub’s triumph)

 

ちりめん本の紙(crape paper, Fig.1)をご覧いただくと、細かな凹凸の筋が縦・横・斜め方向に走っているのがお分かりいただけると思います。挿絵は一般的な木版多色刷の浮世絵と同様、色の数だけ版木を用いて一色ずつ刷る技法が採られており、文字は活版で印刷されています。まず平滑な状態の和紙に印刷を施したのちに凹凸の筋を付けるのですが、以下のような工程で生産されたそうです。

 

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