「きもの科学部」第6回活動報告
2024年「きもの科学部」第6回を開催しました。
今回のテーマは「デザイナーって何をつくる人?」
講師は、株式会社千總で染織品のデザイナー・ディレクターをされている今井淳裕さんをお招きしました。
前半の講義では、まず着物を作るときのステップを解説いただきました。着物のコンセプトやテーマを考えること、アイディアをイメージすることやどのような技術を用いてイメージを形にするか、そして着物を作るには様々な工程がありそれらが分業で成り立っていて、チームワークが大切であることなどをお話しいただきました。
さらに、「描画力」「構成力」「知識」「発想力」といったデザイナーに必要なスキルに触れた上で、実際に着物の模様を描く様子を実演いただきました。
中盤は「体験タイム」として、実物の着物を参加者が着用してみたり、着物に用いる絹の反物のを広げてみたり、着物の着心地や重さ、手触りを体感してもらいました。「着物は、思ったより重くない」「でも動きにくくて毎日は着られないと思う」など率直な感想が寄せられました。
後半のワークショップは、「文様化と見立て」のデザインにチャレンジしてもらいました。
「文様化」とは、実物の形そのものではなく、特徴を際立たせたシンプルな形にすること、「見立て」とは、あるもの形を使って他のもにに擬えることを意味します。これらのデザイン手法は、着物だけでなく、日本庭園や絵画にもみられますし、和歌でも「見立て」による表現が持ちられています。
ワークショプでは、梅をテーマに「文様化と見立て」によるデザインを作成しました。
梅の花や枝の形を用いて、惑星やケーキ、鳥や猫など自由な発想で独創的なデザイン画が生まれました。
参加者の作品は、2025年の9月に千總ビル2階のギャラリーにて、発表予定です。