教育普及
千總文化研究所は、次世代育成支援を目的として、日本の文化芸術を大人が学ぶ体験型プログラムを、2024年11月からスタートしました。第一線で活躍する表現者・技術者をお招きし、五感をテーマとしたご講演と感性や感覚に立ち返って文化芸術を深く知る体験をご提供するプログラムです。本プログラムの収益は、当研究所が企画・開発を進める次世代育成プログラムの運営に充てられます。 第1回は、香老舗の株式会社松栄堂 代表取締役社長の畑正高様にご登壇いただき、松栄堂・薫習館にて開催致しました。本回は、ご講演と聞香体験とお呈茶にて約3時間のプログラムとして実施され、20名の方がご参加くださいました…
2024年「きもの科学部」第1回、第2回を10月に開催しました。 まずは第1回、テーマは「色の素って、なに?」です。中学1年生から高校3年生まで9名が集まり、「色」について多角的に学びました。講師は、一関工業高等専門学校から小林淳哉教授をお招きしました。 前半の講義では、・なぜ色が見えるのだろう?~リンゴは赤い、海は青い~・色って何からできているんだろう?~「染める」と「塗る」~・色がもつメッセージ~色の表現、生活の中の色~上記の内容で、身の回りにある自然界の色、人工的な色、がどのように成り立っているのか、を考えました。 後半のワークショップでは、ペーパークロマト…
「多世代間共創」をテーマに、株式会社Unpackedが主催するプログラム「Corp Touch. 」(於:アート&テクノロジー・ヴィレッジ京都)に参加しました。中高生と法人が課題解決策を「共創」することで、社会人と若者の双方向の理解を促すことをねらいとするプログラムです。 当研究所の他には、プログラムを共催するマクセル株式会社、産経新聞大阪本社が参画され、それぞれの課題に対して参加者の中高生が4~5名ずつグループに分かれ、活動しました。プログラムは、法人から解決したい課題を提示し、中高生から課題の現状に関してインタビュー、解決策のディスカッションを経て発表するまで、およそ3時間の中で…
日本の文化芸術を大人が学ぶワークショップ&講演会を、2024年秋から全5回シリーズで開催いたします。第一線で活躍する表現者・技術者とともに日本の美を五感からたどり、人の感性に立ち返った文化芸術の伝承を展開します。本プログラムの収益は、当研究所が企画・開発を進める次世代育成プログラムの運営に充てられます。 【プログラムの背景と趣旨】日本には、世界に誇るべきさまざまな文化芸術があり、そこには数えきれないほどの卓越した技術が凝縮されています。日本のものづくりにみる息を呑むような繊細な美や技術が、どのように伝承されてきたものか、誰もがその物語を知りたいと願っているのではないでしょうか。一方で…
千總文化研究所では、2021年度より染織技術と染織文化を題材とした教育プログラムの開発に取り組んでいます。 着物に用いられる伝統的染織技術には、デザイン構想から完成まで数十もの工程があり、その多くが手仕事による分業で行われています。多様な技術とその背景にある日本の文化は、農学、化学、人文学をはじめとするさまざまな学問分野を内包するだけでなく、より美しいもの、品質の高いものをつくりだすために研ぎ澄まされた職人の創造力と探求心が凝縮されています。 一方、昨今の学校教育の現場では、STEAM教育をはじめ学際的な学びがクリエイティブな人材を育成するものとして注目されています…
2024年5月17日に京都市立芸術大学染織専攻を対象に、社内見学を行いました。見学は「着物・着るものを知る」の実習授業の一環で実施され、同専攻の藤井良子先生率いる学部3・4回生および大学院生12名が参加しました。千總では着物等の商品企画にあたり、社内において、テーマを決定し、所蔵資料や作品から着想を得て、図案を起こしてから、外部の各職人または社内工房にて製作工程に入ることが一般的です。そのために、本見学では、着物の技術を知るだけでなく、着物づくりの背景すなわち企画から商品化に至るプロセスを知ってもらうために、千總の企画開発・図案制作・製作技術・所蔵品・展覧会について、各部署の担当者より講義しま…
当研究所は、2021年度より京都芸術大学歴史遺産学科と株式会社千總(以下、千總)との産学連携事業として、同大学の正課授業において絵刷(えずり)の調査を実施しています(本事業と絵刷の詳細はこちら、前期授業の調査はこちらにてご確認いただけます。)。調査には主に同学科の増渕麻理耶先生ゼミ所属の学生が参加し、実際に絵刷に触れながら撮影と調書作成(後期のみ)を実施しています。 撮影の様子 後期授業では、2023年10月から11月に計4回の調査を、翌年2月に千總ギャラリーの見学を実施しました。調査には、前期授業に参加した3回生と大学院1回生に加えて2回生を含む計11名が参加…
当研究所では、2021年度より京都芸術大学歴史遺産学科と株式会社千總(以下、千總)との覚書のもとに、産学連携事業として絵刷(えずり)の調査を実施しています(本事業と絵刷の詳細はこちら、過去の調査の様子は活動報告でご確認いただけます。)。調査は同学科の増渕麻理耶先生ゼミ所属の学生さんが主体となって行われるもので、絵刷の撮影と調書の作成を実施しています。 授業の様子 このたび、本年度の前期の調査が実施されました。調査では、事前に同学科での撮影実習および当研究所による絵刷や型友禅に関する講義を行った上で、6月8日、15日、22日、7月13日の計…
大阪教育大学附属天王寺中学校様からご依頼いただき、着物を題材とした教科横断型授業の取り組みに参画しました。授業は、2年生の美術科、理科、国語科、家庭科の時間で全10回にわたり、着物のデザインと色、着物の着こなし等を、観察、実演、実習を交えて行われました。千總文化研究所は、美術科と理科の時間に千總のデザイナーと職人を講師として召喚し、実習のための着物、染色見本、染色材料と道具等を提供しました。1)美術科① 着物を「見つめる」、デザイナーの仕事を知る2)理科①色づくりについて職人から学ぶ3)理科②見本の色を再現する4)国語科①言葉の意味の違いに気付く5)国語科②名も無き色に名前を付ける6)美術科②…
同志社大学内にあるKCJF(京都アメリカ大学コンソーシアム、運営:コロンビア大学)の授業の一環として、千總の歴史と染織技術について講義しました。「世界に通じる京の職人」がテーマの本授業には、日本語並びに日本文化等を専攻するアメリカからの留学生13名が参加されています。 講義の前半は、千總が460余年の歴史の中でどのようにものづくりを続けてきたのか、その歴史と地域社会や産業界との繋がりを交えて作品写真と共にご紹介しました。 現代では、着物やスカーフなどの染織品を手掛ける千總ですが、創業した室町時代に僧侶の装束である法衣や寺院を荘厳する打敷などを納める法衣商であり、時代に応じて…