絹
Silk
概要Overview
美しい光沢となめらかな質感で、古来人々を魅了してきた絹。蚕の種類、糸の撚り方、織り方の組み合わせは無数にあり、織り上がった風合いも多種多様です。千總が手がける友禅や絞りなどの染色技法は「後染め」と呼ばれ、織りあがった白生地をキャンパスとして染め模様を施します。白生地が持つ特性、織りで表現された地模様によって、用いられる染色技法、着物の種類が異なります。
Silk has been appreciated since ancient times for its beautiful gloss and smooth feel. Countless possible combinations of silkworm variety, yarn spinning method, and weaving, result in a large variety of fabrics with different features and appearance. Chiso employs dyeing techniques such as yūzen and shibori, which use the plain fabric as a canvas where the dyeing patterns are applied. Dyeing techniques vary depending on the properties of the plain fabric and its weaving pattern, producing different types of kimono.
絹の種類
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紋意匠縮緬
製織地:京都府丹後
織組織:地組織は平織、絵組織は斜紋織
経⽷に駒強撚⽷、地緯に強撚⽷、絵緯に諸撚⽷を使⽤した緯⼆重組織の織物。⽣地に厚みがあり、染⾊を施した際に発⾊がよく、深みのある⾊に染まる。
⽤途:⾊無地、訪問着、附下、⼩紋
*諸撚⽷:右または左の強撚⽷を2本揃えて逆⽅向に⽢撚りしたもの
*駒⽷:左下撚り1800回/mの⽷を何本か束ね、右上撚り1200回/mをかけた⽷
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
紋意匠縮緬
製織地:京都府丹後
織組織:地組織は平織、絵組織は斜紋織
経⽷に駒強撚⽷、地緯に強撚⽷、絵緯に諸撚⽷を使⽤した緯⼆重組織の織物。⽣地に厚みがあり、染⾊を施した際に発⾊がよく、深みのある⾊に染まる。
⽤途:単物
*諸撚⽷:右または左の強撚⽷を2本揃えて逆⽅向に⽢撚りしたもの
*駒⽷:左下撚り1800回/mの⽷を何本か束ね、右上撚り1200回/mをかけた⽷
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
紋意匠縮緬
製織地:京都府丹後
織組織:地組織は平織、絵組織は斜紋織
経⽷に駒強撚⽷、地緯に強撚⽷、絵緯に諸撚⽷を使⽤した緯⼆重組織の織物。⽣地に厚みがあり、染⾊を施した際に発⾊がよく、深みのある⾊に染まる。
⽤途:訪問着、附下げ、⾊留袖など
*諸撚⽷:右または左の強撚⽷を2本揃えて逆⽅向に⽢撚りしたもの
*駒⽷:左下撚り1800回/mの⽷を何本か束ね、右上撚り1200回/mをかけた⽷
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
五枚朱⼦縮緬
製織地:京都府丹後
織組織:朱⼦織
⽤途:振袖、訪問着、附下、⼩紋着尺など
経⽷に平⽷、緯⽷に強撚⽷を⽤いた織物。経⽷または緯⽷を⼀⾯に⻑く浮かせるため⽣地に光沢が現れる。
経⽷と緯⽷の交叉点が少ないため、⽣地が柔らかい。
*釜:織物の⽂様の横幅のことを釜と呼ぶ。⼀つの⽂様が⽣地幅全体に広がっているものを⼀釜、同じ⽂様が⽣地幅の中に⼆つあるものを⼆釜、四つあるものを四釜と呼ぶ。
紋綸⼦縮緬
製織地:京都府丹後
織組織:斜紋織(綾織)
⽤途:⻑襦袢、振袖、七五三、など
経⽷は平⽷、緯⽷は強撚⽷の斜紋織。朱⼦織物より軽く、⻑襦袢に⽤いられることが多い。⽷の太さを太くしたものを振袖などに⽤いることもある。柔らかな光沢が特徴
*強撚糸:撚りの強弱は1mに何回の撚りがかかっているかによって決まる。300回程度までを甘撚り、1000回位以上のものを強撚と呼ぶ。
駒緞⼦縮緬
製織地:京都府丹後
織組織:朱⼦織
⽤途:振袖、訪問着、附下など
五枚朱⼦を発展させたもので、⼀釜及び⼆釜(五枚朱⼦は四釜・⼋釜のみ)の⼤きな⽂様を表すことができる織物。五枚朱⼦より重厚感のある⾵合いが特徴。
*釜:織物の⽂様の横幅のことを釜と呼ぶ。⼀つの⽂様が⽣地幅全体に広がっているものを⼀釜、同じ⽂様が⽣地幅の中に⼆つあるものを⼆釜、四つあるものを四釜と呼ぶ。
⼀越縮緬
製織地:滋賀県⻑浜市
織組織:平織
⽤途:⿊留袖など
経⽷は平⽷で、緯⽷を左右の強撚⽷を⼀本ずつ交互に織り込んだもの。シボは⼩さめで光沢がある。
*強撚⽷:撚りの強弱は1mに何回の撚りがかかっているかによって決まる。300回程度までを⽢撚り、1000回位以上のものを強撚と呼ぶ。
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
変わり⼀越縮緬
製織地:滋賀県⻑浜市
織組織:平織
⽤途:訪問着、附下、⾊無地、喪服など
⼀越縮緬と同じ織り⽅。緯⽷の撚⽷に変わり撚⽷(壁⽷)を⽤いていることで、細かくて柔らかいシボでありながら、縮みにくい。
*壁⽷:右または左の強撚⽷を何本かの平⽷を引き揃えて下撚りと反対の撚りを下撚りの半分くらいの回数を加えた緯⽷
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
古代縮緬
製織地:滋賀県⻑浜市
織組織:平織
⽤途:⼩紋、加⼯着尺など
経⽷は平⽷で、緯⽷を左右の強撚⽷を⼆本ずつ交互に織り込んだもの。⼀越縮緬よりシボは少し⼤きい。
*強撚糸:撚りの強弱は1mに何回の撚りがかかっているかによって決まる。300回程度までを甘撚り、1000回位以上のものを強撚と呼ぶ。
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駒五本絽
製織地:新潟県五泉市
織組織:綟り織
⽤途:夏物
地経⽷と綟り経⽷が⼀組になって、綟り経⽷は緯⽷5本(3本のものは駒三本絽)ごとにその位置を変えて絡み合い、緯⽷間に隙間のある織物。⽣地全体に、細かな横段が⼊り、⽣地⽬の詰まらない、涼やかな⾵合いができる。
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
⼩千⾕縮
製織地:新潟県⼩千⾕市
織組織:平織
⽤途:訪問着、附下、⼩紋など
⽟⽷や真綿を指で撚り合わせた⽷を⽤いた織物。独特のあたたかみのある⾵合いを持つ。
*⽟⽷:⼀つの繭に⼆つ以上の蛹が⼊ってしまった繭から取り出された⽷
*真綿:繭を引き伸ばして綿状にしたもの
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
⽻⼆重
製織地:新潟県五泉市
織組織:平織
⽤途:⿊紋付、胴裏など
経⽷、緯⽷ともに平⽷を使⽤し、ばらけないように経⽷はフノリで糊づけし、緯⽷は湿し緯を使⽤した織物。
シャリ感のある肌触りが特徴
*湿し緯:平⽷を何本かを揃えるため濡らして引き揃えたもの。
*拡大画像はOLYMPUSデジタルカメラTough TG-6の顕微鏡モード40倍で撮影
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