五感から知る言葉にならない日本の美 第3回
第3回 「漆の艶と螺鈿の煌めき-素材がもつ光を求めて-」
小西 寧子 氏(漆芸家)
日本の伝統工芸では、その土地土地で採取される天然素材を活かし、その気候風土や歴史を映す美意識と技が培われてきました。
螺鈿は、真珠層と呼ばれる貝殻の内側の美しい面を模様の形に切り取り、器物を飾る技法で、世界各地に見られます。「鈿」は飾る、「螺」は巻貝を意味し、貝は夜光貝、鮑や白蝶貝、黒蝶貝などが使われます。日本には奈良時代に中国から螺鈿の品々がもたらされ、漆と組み合わされて日本の工芸技術として独自の発展を遂げました。螺鈿の中でも1ミリほどの厚みのものを「厚貝螺鈿」、0.1ミリ以下まで薄くしたものを「薄貝螺鈿」と呼び、厚みが異なることで、貝の光り方、煌めく色の表情が異なります。
奈良の漆工芸は、厚貝螺鈿を用いた正倉院宝物の修理や復元を手掛ける職人が輩出された背景から、厚貝螺鈿の技術が継承され、天平の美を今に伝えています。
名勝(国の文化財)に指定された庭園を持つ依水園にて、奈良の風土を感じながら螺鈿の材料や道具、作品を手に取りご鑑賞いただきます。漆芸家が見出す「素材が持つの光」を、皆様と共に探訪します。
第3回 「漆の艶と螺鈿の煌めき-素材がもつ光を求めて-」
小西 寧子 氏(漆芸家)
会場:公益財団法人 名勝依水園・寧楽美術館(奈良市水門町74)
https://isuien.or.jp/
日時:2025年4月19日(土)13:30~15:40 (受付: 13:00)
定員:先着30名 参加費:30,000円
お申し込み期日:2025年4月13日(日)まで *定員になり次第締め切ります
お申し込み方法:千總文化研究所公式ウェブサイト 内「研究会・イベント」ページよりお申し込みください。
-タイムテーブル-
13:00~ 受付
13:30~14:20 講演
14:30~15:40 体験プログラム:小西氏の作品鑑賞茶会と庭園見学(解説付き)
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▪️本プログラムの収益は、千總文化研究所が企画・開発を進める次世代創造性育成のプログラムの運営に充てられます。
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【登壇者プロフィール】
小西寧子(漆芸家)
1968年、奈良生まれ。京都女子短期大学部文化国語専攻卒業。1992年、結婚を機に実家の家業である漆工芸を始める。父・北村昭斎(人間国宝)に師事。2006年、文化庁文化財修理技術者講習修了、2009年「螺鈿の系譜 人間国宝北村昭斎展」(高島屋大阪店)に出品。ギャラリーきのわ(奈良市)にて個展開催。2012年、国際漆芸玩飾展(北京 QIAO GALLAERY)出品、2013年、「北村繋・小西寧子二人展」(高島屋大阪ギャラリーNEXT)開催、2015年~2017年、「工藝を我らに」展(資生堂アートハウス)に出品。受賞歴として、2001年日本伝統工芸近畿展近畿支部奨励賞受賞、2011年第40回日本伝統工芸近畿店にて奈良県教育委員会長賞
【千總文化研究所が開発を進める次世代の創造性育成プログラムとは】
千總文化研究所は、2021年より次世代の創造性育成のための教育プログラムの開発を、教育工学の専門家や京都市教育委員会の協力のもとに進めて参りました。
2022年には、染織技術、色や模様などきものに関わる事柄を学校で学ぶ科目と結びつけ、学問分野を横断した学際的な学びを提供するプログラム「きもの科学部」設計・実施しました。
次世代を担う子どもたちには、学問と社会と文化のつながりや自然界と人間界の関係性から、未来を考える力を身につけてほしいと考えています。
中学生・高校生のための課外プログラムとして「きもの科学部」を継続的に開催するほか、国内外の教育機関・専門家と連携した異文化交流や教育教材開発への展開を進めます。
これらのプロジェクトは、今回の「五感から知る言葉にならない日本の美」の収益により運営されます。きもの以外の分野への応用も視野に、文化芸術を題材とする創造性育成プログラムの方法論の確立を目指して参ります。
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中高生のための課外プログラム「きもの科学部」2024年の詳細はこちら。
【お問い合わせ】
一般社団法人千總文化研究所
TEL 075-211-2531(平日10:00~17:00)
E-MAIL info@icac.or.jp