【NEW】活動紹介:型友禅の絵刷資料の調査

明治時代以降、西村總左衛門の商店は、型紙を用いて文様を染める「型友禅」による商品を製造する、代表的な会社のひとつでした。その当時の盛況ぶりを伝える資料のひとつとして、同社には型友禅の見本の布、すなわち「型友禅裂」が所蔵されています。明治6年から昭和10年代までに製造された型友禅裂は1000点にのぼり、これまで様々な専門家により調査研究が行われてきました。なお、個々の型友禅裂については、現在連載中のTHE KYOTOでも紹介しております。

 

そして、その他に、型友禅の製造に関係する資料として、「絵刷」(えずり)が、同じく所蔵されています。

Fig.1 

Fig.1 絵刷冊子の表紙(一例)

 

 

絵刷とは、型紙を用いてデザイン(文様)を紙に摺り出したものです。型友禅をつくる工程において、型紙の彫り具合や、デザインの内容を確認するために、絵刷は主に用いられてきました。

型友禅で1つのデザインを染めるためには、実は何十枚もの型紙が用いられます。例えば、赤色の背景に黒色の輪郭線のある青色の円を型友禅で染める場合は、おおまかに円形を染め残した赤色の背景の型紙、黒色の円状の線をあらわす型紙、青色の円を染め出す型紙の、3種類の型紙が必要です。しかし、型紙単独では完成したデザインを確認しにくいために、型紙に伴って絵刷が制作されていました。

 

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型友禅の絵刷資料の調査