活動紹介:型友禅関連資料の調査に関する産学連携事業

近年、明治時代から昭和時代にかけて制作された型友禅染の関連資料「絵刷」147冊(約14700枚)が株式会社千總に寄贈されました。絵刷とは、型紙を用いてデザイン(文様)を紙に摺り出したもので、型友禅をつくる工程において、職人による型紙の彫り具合(彫口)の確認や、型紙管理者による文様の見本として用いられるものです。

 

千總文化研究所は、そうした絵刷資料の保存と記録作成、さらにアーカイブ化を最終目標に掲げ、令和3(2021)年度より京都芸術大学と覚書を結び、共同調査を開始しました。

 

絵刷資料

絵刷は、文様が摺り出された紙(本紙)約100枚が冊子体に綴じられています。各冊子により大きさは異なりますが、寸法は縦約30~43cm、横約45~86cm、厚み約2.5~3cmです。ほとんどの本紙には、日付や氏名さらに文様の名称を記した墨書、ならびに西村總所蔵印や組合に関する印が付されています。また、一部の本紙には、染色工程や色指示などの製作工程に関するメモ書きを確認できました。

これまでに、6月23、24日、7月1、8、15日の計5回にわたり調査を実施しました。調査は正課授業の一環として実施され、同大学歴史遺産学科の増渕麻里耶准教授率いる文化財科学ゼミ所属学生、19名(23日のみ)、10名(24日以降)が参加しました。

 

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型友禅関連資料の調査に関する産学連携事業