[シリーズ:京都のまちの中の三条室町]第2回特別鑑賞会・講演会 千總・西村家の町家図面を読み解く ー近世京町家の造りと暮らしー
町家とは生活と商売が共存する空間であり、暮らしの知恵と工夫がつまっています。その中でも「鰻の寝床」と称されるほどに奥行きが長く、果てしない空間の広がりを感じさせる京町家は、人々が築いた美意識の広がる小宇宙と言えるかもしれません。
現在はビルである千總の社屋も、戦前までは三条通りに軒を連ねるひとつの京町家でした。その近世の姿を伝える絵図面の複写や建物の仕様書などが現存しています。今回は、そうした資料の読み解きを通じて店の構造や空間のイメージを膨らませることで、当時の人々の暮らしに迫ります。
写真 西村總左衛門南店 明治時代(19世紀)
【イベント概要】
日時:2022年2月16日(木) 14:00~15:20
講師:大場修
実施形式:株式会社千總5階ホールおよびオンライン(zoomウェビナー)
〈ご来場〉 定員:30名 / 参加費:[一般]3000円、[学生]2500円
〈オンライン参加〉 定員:100名 / 参加費:2000円
配信方法(予定):オンライン参加に申し込んだ方を対象にリアルタイム配信の他、3週間後(予定)に期間限定で公開いたします。
千總文化研究所公式ウェブサイトの会員ページにて動画を公開いたします。
※閲覧には会員登録が必要です
応募方法:千總文化研究所公式ウェブサイト内イベントページ
申込期間:
〈ご来場〉12月23日〜2月9日(木)
〈オンライン参加〉12月23日〜2月12日(日)
※2023年1月31日追記
講演でとりあげる資料を、コラムで紹介しています。
【講師プロフィール】
大場修氏
立命館大学 衣笠総合研究機構教授/京都府立大学名誉教授 工学博士
『近世近代町家建築史論』(中央公論美術出版、2004年)で日本建築学会賞(論文)を受賞。
『「京町家カルテ」が解く 京都人が知らない京町家の世界』(淡交社、2019年)で日本建築学会著作賞を受賞。
近年の著作に『京都 学び舎の建築史』(京都新聞出版センター、 2019年)、編著に『占領下日本の地方都市−接収された住宅と都市空間−』(思文閣出版、 2021年)、編著『京丹後市のまちなみ・建築』(京丹後市、2017年)、共著に『くらしの景観日本と中国の集落』(臨川書店、2022年)、『日本の建築文化事典』(丸善出版株式会社、2020年)などがある。
▼当日展示資料(予定)
会場には、町家に関する実際の資料の他、今回の講演の舞台である近世に千總が取り扱った法衣の関係資料などを展示いたします。
在来絵図面(複写)
■近世の千總の店舗を描いたと記される絵図面の複写。嘉永3年(1850)8月の年紀があり、各部屋には広さとともに「土蔵」「見世」などの用途が記されている。
御注文木寄セ仕様帳
■享和2年(1802)7月に大工平右衛門が千總の当主・千切屋宗左衛門宛に作成した建築仕様書。大黒柱や鴨居、建具等60以上の建築部材の仕様が記録されていいます。
[関連資料] 法衣装束貼交帖
江戸時代の法衣装束や明治時代の洋服の裂地が貼り込まれた貼交帖。絵図面と同時期の嘉永年間に調製された裂も含まれ、当時の千總の姿が垣間見られます。
【シリーズについて】
シリーズ「京都のまちの中の三条室町」
三条室町の土地や建物または行事など、町に関係する資料が株式会社千總には現存しています。本シリーズではこうした資料を町と千總を繋ぐ依代と捉えてテーマに掲げ、千總と地域のいとなみへの理解に繋げることを目指します。